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うつ病で休職中、本を読もうとしても何も頭に入ってこない、と感じていませんか。
「良い本らしいから買ってみたけれど、文字を追っているだけで何も残らない」「みんなが良いと言っている本なのに、自分には響かない」。そんなふうに感じて、自分の理解力や気力まで落ちてしまったように思える方もいるかもしれません。
この記事では、私がうつ病の休職中に経験した、同じように活字を追っているのに、時期によって本の入り方がまったく違ったという体験を紹介します。
読み終わるころには、いま本が読めないことも、読んでも響かないことも、あなたのせいではないと思えるはずです。
本が響くかどうかは、回復の段階で変わる
ずばり、本にも「読む時期」があるというのが、私が休職を通して実感したことです。
私は休職中に何冊かの本を読みましたが、体調の段階によって、入り方がまるで違いました。
- 休職初期:そもそも読む気力がなく、読んでも頭に入ってこなかった
- 休職中期:読めるようにはなったが、理解はできても心に染みなかった
- 休職後期:鍼治療院を変えて体調が上向いてから読んだ本は、素直に入ってきた
同じ人間が、同じように活字を追っているのに、この違いです。
だから「読んでも響かない」のは、その本が悪いのでも、あなたの理解力が足りないのでもなく、まだその時期が来ていないだけなのだと私は思っています。
休職初期:そもそも読む気力がなかった
休職して最初の時期、私は本を一冊も読んでいません。
読む気力がなかったからです。読んでみても頭に入ってこず、何も感じない。活字を目で追うことはできても、そこに書かれていることが自分の中に何も残らない状態でした。
この時期に無理をして本を読もうとしても、おそらく意味はなかったと思います。それよりも、休むことが最優先でした。本の代わりにどう過ごしていたかは、休職中の暇・焦りをどう乗り越えたかに書いています。
休職直後の状態について詳しくは:
休職中期:理解はできても、心に染みなかった
休職中期になると、本を読むことはできるようになりました。カウンセリングを受けていた頃で、すすめられた本や、自分でインターネットを調べて見つけた本を何冊か読んでいます。
ただ、正直に書くと、この時期の私には理解はできても、納得はできませんでした。
書いてあることの意味はわかる。けれど、心に染みてこない。「そうは言っても」という気持ちが先に立って、自分のこととして受け取れなかったのです。
一番わかりやすかったのが、書き込み式の本での体験
この時期に読んだ『こころが晴れるノート』は、書き込み式の本でした。私は一通り書き込んでやってみています。何回でも繰り返しできるように、別にノートを用意して、そちらに書き込む形で進めました。
やってみて気づいたのは、根拠のない決めつけ、べき思考、極端な一般化といった考え方の癖が、自分にもよくあるということでした。自分の思考にはこういう偏りがあるんだな、と理解はできたのです。
ただ、そこで止まりました。理解はできても、その偏りを直すところまではいきませんでした。「そう思ってしまうんだから、しょうがないじゃないか」という気持ちが、どこかにあったのだと思います。
知識としては入るのに、自分を動かすところまで届かない。 この時期の読書は、ずっとその状態でした。
この時期に読んだ本については、うつ病の休職中に読んでよかった本5冊で1冊ずつ紹介しています。
転機は、鍼治療院を変えて体調が上向いてから
変化が起きたのは、休職後期に鍼治療院を変えてからでした。
それまで1年ほど体調は停滞していたのですが、H先生の治療院に変えてから、体調が目に見えて回復していきました。
その回復し始めの頃、私はH先生に「おすすめの本ってありますか」と自分から聞いています。読みたいという気持ちのほうが、先に戻ってきていたのだと思います。教えてもらったのは『嫌われる勇気』の一冊でした。
読んでみて驚いたのは、内容が素直に入ってきたことです。人間関係の本質をついているような内容で、引っかかるところがないまま読み進められました。中期に読んだ本で「意味はわかるけれど納得できない」と感じていたことが、この一冊で初めてつながった感覚がありました。
たとえば「人はいま、この瞬間から幸せになることができる」という項目を読んだとき、自分から動き出さないといけないと感じました。中期の私が「そう思ってしまうんだから、しょうがないじゃないか」で止まっていたことを思うと、まるで逆の反応です。
実際、このあと私は『チーズはどこへ消えた?』を読み返しています。会社に入社した頃に一度読んだきりだった本です。 読んだ本に背中を押されて、自分から次の本を手に取る。 休職初期にも中期にも、一度もなかったことでした。
同じように活字を追っているだけなのに、中期とはまるで違う読み方になっていたのです。
いま振り返ると、中期に読んでいた本は、自分の中にある考え方の癖と向き合うものが中心でした。それに対して『嫌われる勇気』は、考え方の癖の話と、人間関係の話の両方を扱っています。中期の本でばらばらに理解していたことが、この一冊の中でつながったのだと思います。
同じ本を2回読んで、結果が変わった
もっとはっきり違いが出たのは、中期と後期の両方で読んだ本があったことです。
執着を手放すための手法が書かれた本でした。中期に一度読んだときは、そもそも手放したいものが自分でも思いつかず、内容もいまひとつしっくりきませんでした。そのまま何もせずに終わっています。
同じ本を後期に読み直したときは違いました。体調が多少安定してきて、手放したいこともはっきり出てきていたので、書かれている手法を実際に試すことができたのです。やっている最中は結構つらかったと記憶していますが、最後まで試して、8割がたは手放せたという実感が残りました。
同じ本を、同じ人間が読んで、結果が変わりました。違ったのは本の中身ではなく、読んだ時期のほうです。
本を読んで元気になったのではなく、元気になってきたから本が読めた。順番はこちらだったと、いま振り返ると思います。
体調が回復していった時期の記録:
答えは、中期に読んだ本自身が書いていた
おかしな話なのですが、この理由は、中期に読んだ本のなかにすでに書かれていました。
『「気にしすぎて疲れる」がなくなる本』にあった、疲れているときは、自己改革をしてはいけないという一節です。当時の私はこれを読んで「言っていることはわかる」と思いました。わかるけれど、早く変わりたい気持ちは変わらない。そんな受け取り方をしていました。
いま振り返ると、あの本は答えを先に書いてくれていたのだと思います。疲れているときに自己改革をしてはいけない、と書かれた本を、まさに疲れきった時期に、自分を変えようとして読んでいたのですから。その一文の意味が体でわかったのは、体調が戻ってきたあとでした。
いま本が読めない方へ|私がお伝えしたいこと
読めない時期、響かない時期を通ってみて、いま同じ状態にいる方にお伝えしたいことが3つあります。どれも今日からできることです。というより、今日は何もしないという選択も含みます。
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読めないときは、読まなくていい
私も休職初期は一冊も読めませんでした。読めないことは、休むことが必要な時期だというサインなのだと思います。無理に読もうとせずにしっかり休みましょう。読書はその後です。 -
響かなかった本があっても、自分を責めなくていい
理解できるのに心に染みてこないのは、理解力の問題ではありませんでした。少なくとも私の場合は、体調が戻ると、同じ文章が自分のこととして入ってくるようになりました。 -
体調が戻ってきたと感じたら、誰かにおすすめを聞いてみる
私が一番助けられた一冊も、自分から聞いて教えてもらったものでした。読みたいという気持ちが出てきたときが、そのタイミングなのだと思います。
正直に書くと、私は中期に読んだ本を全部を読み返したわけではありません。ですから私がお伝えできるのは、響かなかった本をもう一度読み直しましょう、ということではありません。体調が戻ってきた時期に読めば、心に染みてくる一冊に出会えることがある、ということです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
・休職初期は、一冊も読めなかった
読む気力がなく、活字を目で追っても何も残りませんでした。
・休職中期は、理解はできても心に染みなかった
自分の思考の癖はわかったのに、「そう思ってしまうんだからしょうがない」というところで止まっていました。
・休職後期は、同じように読んでいるのに素直に入ってきた
鍼治療院を変えて体調が回復し始めてから読んだ一冊は、それまでの本の内容までつなげてくれました。読み終えたあとには、自分から次の本を手に取っていました。同じ本を中期と後期で2回読んで、結果が変わったこともあります。
・変わったのは本ではなく、読んだ時期のほうだった
本を読んで元気になったのではなく、元気になってきたから本が読めた。それが私の実感です。
これからも皆様に少しでも参考になる内容をお伝えできればと思っています。皆様の明日がより良い日になることを願って。
読みたい気持ちが戻ってきた方へ。この記事で触れた5冊は、こちらで1冊ずつ紹介しています。